■海外のベリー類は?

第一回 世界のブルーベリー産地から見えるもの

ブルーベリー栽培研究グループ   

  主宰 玉田孝人   

(1) 世界の栽培面積および生産量

はじめに -どうして世界の状況を知る必要があるのか-

アメリカニュージャージー州のハイブッシュブルーベリー園にて2012.7.4 砂質土壌、高われ、灌水チューブに注目
アメリカニュージャージー州のハイブッシュブルーベリー園にて2012.7.4 砂質土壌、高われ、灌水チューブに注目

21世紀の初頭、日本も含めて世界のブルーベリー生産は劇的に発展し、過日の流通はますますグローバル化しています。例えば、2011年、日本には約1,830tもの生果が輸入されていますが、この量は国内産の収穫量(2011年、2,500tと予測)の半分以上です。このことは、日本のブルーベリー産業が輸入生果に支えられ、また、過日販売は国内の産地間競争、および国内産と海外産との競合関係の下になされていることを示唆しています。 このような状況下で、自家(国)産果実の販売戦略を立て、経営改善を図るためには、国内産地の情報と併せて海外の情報収集が必要です。また、日本で栽培されている品種はほとんどが海外からの導入です。すなわち、海外産の輸入時期、出荷量、品種、品質、価格、日本の消費者の評価などについての情報は販売戦略・経営改善のためには不可欠であると考えられます。

 上記のような視点から、主要国のブルーベリー生産状況を紹介できればと考え、田川さんのホームページに寄稿する次第です。

 

♢世界の各地域で発展を続けるブルーベリー生産

2010年、世界全体の栽培面積は77,281ha(日本のリンゴ栽培面積の約2倍)、生産量(全量)が340,996tに達しています(表1)。中でも発展がめざましいのは地中海・北アフリカ地域で、2010年の栽培面積は、2007年に比べて34倍にも拡大しています。次いで南アフリカ(同比較、10.8倍、さらにアジア・太平洋地域(同比較、1.92倍)と続いています。これらの地域内では、モロッコ(北アフリカ)、中国(アジア)の2カ国が著しいといわれています。  

♢ブルーベリー産業発展の推進力

近年オランダにおけるブルーベリー生産は拡大している農業機械は農薬散布用機械 高うねで除草マルチに注目
近年オランダにおけるブルーベリー生産は拡大している農業機械は農薬散布用機械 高うねで除草マルチに注目

 ブルーベリー生産が世界の各地域でそろって発展している要因(推進力)はおおきくは、次の5つに整理できます。

ⅰ.樹および果実形質の優れた品種の誕生

ⅱ.世界各地における栽培研究の進展と栽培技術の向上

.果実の利用用途が広いこと

.健康機能性の高い評価

.グローバル企業の参入(特に流通分野に)

すなわち、ノーザンハイブッシュ、サザンハイフッシュおよびラビットアイに樹・果実形質のすぐれた品種-特に冬季が温暖な地域で栽培できる低温要求量が少ない品種、逆に冬季の寒さが厳しい地域でも栽培できる耐寒性のある品種-が誕生したことで、それまでで栽培が困難であった地域で栽培が可能になりました。併せて、地域における研究成果の進展と栽培技術の向上によっておいしい果実が生産され、風味および機能性が消費者の健康志向と相まって消費が拡大したのです。さらに、グローバル企業の参入によって、生果が、年間をとおして国際的に流通するようになり、それまで生果を食べられなかった国(地域)でも販売されるようになりました。このような連続した好結果が、さらに栽培者の生産意欲を高めるという“発展ルート”を形成してきた訳です。 

 

♢日本がブルーベリーを輸入しているのは、2011年の実績では、8カ国に及んでいます。もっとも多いのはチリで約864t(おもな輸入月は11~翌年の4月)、次いでアメリカが約841t(同5~10月)、両国を合わせると全体の94%です。のちに、カナダ(約85t)、メキシコ(99t)、ニュージーランド(約9t)と続き、さらに、中国(0.6t)、ポーランド(0.3t)、韓国(0.2)からも輸入されています。

 このように、世界の主要なブルーベリー生産国は、同時に輸出国でもあります。そのため、各国内で、輸入国の安全・衛生基準を満たした上ですが、輸入量、果実品質、価格などをめぐって激しい競争が栗ひろげられていると推察されます。このような国際的な販売競争を制するこのができるのは、結局グローバル企業ということになるのでしょうか。

和つぃは、輸入生果の販売ルート、果実の利用法、価格形成などに大変興味を覚えます(この電については、別の機会に取り上げられればと思います)。

 

 

次回は…「アメリカのブルーベリー生産事情について」紹介します。